学校法人愛知ルーテル学院 名古屋ルーテル幼稚園

チャプレン通信 2月号

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「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」
(ローマ 12.15) — チャプレン:徳弘浩隆牧師 —

1.「隣の家に蔵が建つと、ウチは腹が立つ」なんていう言葉あります。

 他人の成功や繁栄は素直に喜べなくて、嫉妬を感じるものですね。誰にでもある心だと思います。

 

2. わたしたちは、こどものころから比較され、競争をするような場面の中で育てられてきた面があります。

 「生存していく」という「生き物」に共通の大切なところは否定できないでしょう が、過剰さや二面性もあります。良い面では努力して何かを実現したり、目標を達成してゆく生き方。しかし、悪い面では他者を排除して勝ち上がること。そして、結果によっては妬みや自信過剰、自己嫌悪などに追い込まれていきます。こどもたちとの接し方の大切さを思わされますね。

 人の性格は生まれつきや個性にもよりますが、家庭や兄弟、友達や環境との相互作用の中でも作られていくと言われます。いつも褒められたか、怒られたか、比較されたか、個性を認めてもらい大切にしてもらったか。大人の私たちも、こどものころの、「心のひっかかり」を抱えたまま生きていることはあるでしょう。あのことで引っ込み思案になった、「いい子」を続けるようになった。私にもそんな経験と自分の性格の関連を見つけることがあります。

 

3. そんな私たちに、聖書は言います。「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」と。

 なんと難しいコトでしょう。もっと難しいのは、直前の言葉です。「あなたがたを迫害する者のために祝福を祈りなさい。祝福を祈るのであって、呪ってはなりません」。自分を痛めつける「敵」の祝福を祈れというのです。これはもう無理!

 

4. どうしたら、それができるのでしょうか?

 (ア) 最初に大切なことは、人を見て怒りたくなる罪深さが、程度の違いはあれ自分の心の中にもあったと、気が付くことです。
 (イ) 次は、そんな自分も、赦され生かされているという事に気づくことです。

 それを教えてくれたのが、イエス様です。神様の正しさと愛を伝え、そのように生きることと、仲間だけではなくて敵をも愛するように言われました。そして、裏切りや妬みの中で罪を着せられ十字架で殺されていく時にも、神を愛し人を赦す祈りの中で死んでいかれました。その本当の神の愛に気付き、人間の罪深さにも気づく時に、改心し、謙虚にさせられます。その時、「人が喜んだら一緒に喜んであげ、人が悲しんでいたら一 緒に悲しんであげられる自分」が少しずつ芽生えていることに気づきます。

 聖書の言葉で「心の中のひっかり」を解いて自分を育て直してあげること、そして、大切なこどもに接する事、そんなことに取り組んでいきましょう。