12月の聖句
その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである。
ヨハネによる福音書 1章9節
「まことの光」とは原文では「真実の光」。それは「隠れていない光」という意味である。「真実の光」が「隠れていない光」であることは当たり前だと誰もが思う。しかし、あえてここで言わなければならなかった。なぜなら、偽物の光が多く存在しているからである。
偽物の光は、自分を輝かせるだけ。他者を照らして、他者に光を与えるのではなく、自分だけ輝きたい。そのような偽物が横行する闇の世界に、神さまはわざわざ真実の光を送り給うた。その光がイエス・キリストである。
クリスマスに来たった真実の光は自らが「隠れていない」と同時に、照らした存在を「隠れていない」ようにする。クリスマスの夜、嬰児イエスさまのもとにやって来た羊飼いや三人の博士たちは、それまで阻害され、排除されてきた人たちである。その人たちがこの嬰児に向かって歩み始めることで、自分らしく生きるようにされた。
自分らしく生きることは、簡単なようで難しい。世間からの圧迫を受けて、それに従うことで社会に受け入れられると思い、自分を押し殺すのが通常の人間である。こうして、我々は自分を生き難くする。それをこどもたちにも教えてしまう。そのような人間が自分らしく生きるためには、裸になる必要がある。
裸で生まれた存在こそ、真実を明らかに語っている。それが嬰児イエスさまであり、我々もまた知っている幼子の裸の姿である。人間は自分らしく生きるように、神によって造られている。神に造られた存在の裸性を生きる力が嬰児イエスさまから来たる。このお方に出会うクリスマス。真実の光に照らされますように。
チャプレン 末竹十大
