学校法人愛知ルーテル学院 名古屋ルーテル幼稚園

9月の聖句

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今月の

わたしの恵みはあなたに十分である。

コリントの信徒への手紙二 12章9節


 「十分である」とは足りないものはないということである。この言葉は、主イエス・キリストが使徒パウロに語った言葉。パウロが主に祈り願ったことに対する答えである。「わたしの恵み」とは、イエスがパウロに与えているすべての善きもののことであるが、それらは不足することなく「十分に与えられている」とイエスはおっしゃった。ということは、パウロは「足りない」と感じて、祈り求めたのである。

 我々人間が考える「恵み」とは、自分にとって善いもののことであり、自分が判断する善いもののことである。その視点から見れば、パウロは「足りない」と感じた。なぜなら、彼には病があったからである。身体的病なのか精神的病なのかは定かではないが、とにかくこの病がなくなれば自分は完全になるとパウロは思ったのである。ところが「わたしの恵みはあなたに十分」と主はおっしゃった。その意味は、病があっても、これだけたくさんの善いものを与えられているのだから不満を言うなということではない。パウロに与えられている病という「弱さ」も「わたしの恵み」だと主はおっしゃったのである。

 我々は自分の力が「ある」ことを求める。しかし、力が「ない」ときにも神の力が働いているのである。いや、むしろわたしに力が無い「弱さ」において、神の力は完全に発揮されているのである。それゆえに、「弱さ」は神の恵みであることをパウロは受け入れ、「弱さを誇る」と述べている。

 我々のこどもたちも「弱さ」を持っている。その弱さこそが、彼らに与えられている神の恵みである。彼らが神の望む姿に造られていく恵みである。この「弱さ」を受け入れるとき、彼らは自分らしく成長していくであろう、神の恵みの下に。

チャプレン 末竹十大

年主題

さあ、漕ぎだそう 奏でよう