11月の聖句
11月の聖句
1ヨハネの手紙4章16節 (日本聖書協会 新共同訳聖書)
車を運転していて耳に入ってきた音楽、懐かしくて思わず聞き入りました。その歌は「Só Chamei Porque Te Amo♪」。運転中はブラジルの FM ラジオをインターネットで聞くのですが、スティーヴィー・ワンダーの有名な曲「I Just Called to Say I Love You」のポルトガル語版の歌でした。「クリスマスでもないし、新年でもない、世の終わりでもない、カーニバルでもない… ただ、電話してみたんだ。君を愛してるって言いたくて」と、ブラジル風の歌詞に「クスッ」としてしまいますが、サビの部分では胸が熱くなります。
「愛」っていう言葉、日本語では少し照れくさいかもしれませんが、本当に大切で、良い言葉ですね。
新約聖書のギリシャ語では「愛」は実は、次の3つの言葉があります。
1)エロス(Eros):情熱的な愛。恋愛的・感覚的な愛。ロマンチックな愛。
2)フィリア(Philia):友情的な愛。共に歩む関係性の中の信頼。
3)アガペー(Agape):無償で、敵もゆるし、相手のために生きる愛。
この中で、今日の聖書の個所で使われている「神は愛」は「アガペー」です。人間の限界を超えた、最も高い次元の愛です。上記3つとも大切ですが、人生を歩む中でこれらの愛を順に経験しながら、自己中心ではなく見返りを求めない愛に成長させられるのですね。子育ての最中でも、迷い、立ち止まるときもありながら、もっと大きな無条件の愛情が湧いてきて自分自身も育てられているのを感じることがあるでしょう。
イエス・キリストの弟子ヨハネが当時の教会で、外からの迫害や内側の考えの対立や分裂に対して、「正しさと間違いを見きわめる目、間違っていても切り捨てない心、人を裁かず愛を忘れない態度」の大切さを思い起こしてもらうために、「神は愛なのですよ」と説いています。
昔日本に来た宣教師は「アガペー」を「愛」ではなく「ご大切」と訳したそうです。お互いに「大切に」する気持ちから始まります。
園長 徳弘浩隆